今回の講座では、判りやすくするためマスク作成の時に使った土台レイヤの塗りつぶし色をオレンジにしましたが、〔透明部分を保護〕して絵の色のベースになる色を吟味して塗りつぶし直します。【画像8-1】
次に人物土台レイヤの上に陰影をつける為の乗算レイヤーを作成します。【画像8-2】
乗算レイヤは、色を重ねるとどんどん色が濃くなってゆくセロファンのようなものだと考えて下さい。私が陰影をつける道具は鉛筆だけです(塗り全体を通しても鉛筆だけですが)。ただし、主線に使った設定と若干異なります。【画像8-3】(不透明度50%~70%、他のチェック部分はON、OFFどちらでも可)
鉛筆ツールの不透明度を下げるとどうなるかと言うと、選択中の色が一塗りでは100%の濃さにならないという事です。筆が接地して重なる回数が多いところほど選択中の色の不透明度100%に近づいていきます。【画像8-4】
多く重ねた所と薄くしか重なってない所で微妙な筆のタッチが生まれます。このタッチは塗ってる箇所の面の流れを意識して塗るのがコツで、自分の中でどう立体感が表現されてるか確認しながら進められますし、一色でぺたッと塗りつぶすより味が出ます。【画像8-5】
この方法で、土台レイヤの色をそのまま使うか、余り暗すぎない色で面を意識しながら陰影をつけて行きます。【画像8-6】
光が当たらなくなる部分から影が発生しますが、影が一番濃くなる部分は光と隣合わせになってる部分で、光から徐々に離れると影は弱まります(明るくなっていきます)。これを反射といいます。【画像8-7】
これは描こうとしている対象物が、壁や床などから反射した光を浴びる事で発生します。【画像8-8】
物は立体である限り光、影、反射で基本的に構成されます。
ただ単純に影を暗くするだけでなく、この要所要所に点在する反射を意識して陰影をつけるだけで、絵は飛躍的に立体感が増すでしょう。もっと影を濃くしたいと思えば、選択中の色を濃くしてみるか、乗算レイヤをもう一枚作って濃さにメリハリを付けましょう。
※この時、人物の線からはみ出しても全然構いませんのでダイナミックに塗りましょう。